The Japan Diabetes Society

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北海道支部

北海道支部長ご挨拶

中村 昭伸
北海道大学病院
糖尿病・内分泌内科
中村 昭伸

糖尿病の治療の目標は、糖尿病合併症の発症・進展を阻止し、糖尿病のない人と変わらない寿命と日常生活の質の実現を目指すことであります。日本人を対象とした本学会の調査によりますと、糖尿病のある人と日本人一般の平均寿命の差は縮まっていることが明らかになっています。これは、糖尿病の成因やその治療法についての研究を行い、その成果を診療現場に還元してきた先人たちの努力の賜物であり、本学会が大きく牽引してきたものであります。

もう一つの目標、糖尿病のない人と変わらない日常生活の質の実現を目指すためには、糖尿病のある人が、心身だけでなく社会的な面も含め満たされた状態(well-being)で生活を送ることが重要だと考えています。そのためには、まずは糖尿病のある人に対するスティグマ(例えばいわれのない差別を受けることなど)を払拭することが急務です。このスティグマの払拭については、われわれ医療従事者はもちろんのこと、行政の方々を交え、社会・地域全体で考え、理解していくべき課題であるといえます。

この課題に対処し、糖尿病のない人と変わらない日常生活の質の実現を目指すための質の高い糖尿病診療・研究を実行するには、多くの糖尿病専門医ならびに糖尿病に関わるメディカルスタッフの育成が不可欠であります。さらには、北海道に根差した糖尿病診療・研究の迅速な推進には、行政との連携を充実させていく必要があります。

私は2024年度より吉岡成人先生の後任として北海道支部長を拝命いたしました。今後も北海道支部会員の皆様の御支援を仰ぎながら、多くの諸先輩が築かれた北海道支部をさらに発展させ、糖尿病専門医・メディカルスタッフの育成、社会活動、学術研修活動に邁進する所存でございます。

本学会の会員の皆さまをはじめ、多くの皆さまの御指導を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

更新:2024年7月8日