The Japan Diabetes Society

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単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会からのお願い

単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会からのお願い

本委員会で行う調査研究についてご協力いただける方からのご連絡をいただきたく存じます。
以下の内容をご覧いただき対象事例がございましたらご一報下さいますようよろしくお願い申し上げます。

1. 単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究について

1型糖尿病および2型糖尿病はともに多因子遺伝疾患と考えられています。一方、発症年齢や家族歴から、単一遺伝子の機能障害による発症が疑われる例も存在します。
単一遺伝子異常による糖尿病はmonogenic diabetesとも呼ばれ、MODY、新生児糖尿病、Wolfram症候群などが含まれます。
当委員会は、本邦において不可欠と考えられる、
1) 日本人を対象とした、単一遺伝子異常による糖尿病の診断・治療ガイドラインの作成
2) 糖尿病学会員を対象とした、単一遺伝子異常が疑われる糖尿病の遺伝子解析支援体制整備
3) 未知の糖尿病原因遺伝子の解明
を目的として発足しました。
なお、本件の研究計画は、日本糖尿病学会学術調査研究等倫理審査委員会(日糖学倫平30-009-(2)号 2018年8月29日)および京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会において承認されています。

2. 糖尿病学会員を対象とした、単一遺伝子異常が疑われる糖尿病家系の遺伝子解析支援体制の詳細

1) 対象

糖尿病診断時年齢35歳未満で、1型糖尿病関連自己抗体陰性で、肥満歴のない症例および、その血縁者が対象となります。

2) 依頼方法

* 本研究の費用は調査研究委員会が負担します。
 
Step1:
担当医がその責任において、対象者にインフォームドコンセントを行ってください。インフォームドコンセントの際は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院医の倫理委員会にて承認された 説明・同意文書(下記 調査研究事務局連絡先 にご請求ください)をご使用ください。あわせて、説明・同意内容の診療録への記載をお願いします。
なお、ご所属機関での倫理審査があわせて必要な場合は、本計画の研究計画書および倫理審査承認書を事務局から送付します。
症例情報フォーマット(下記 調査研究事務局連絡先 にご請求ください) には、可能な限り対象者の情報を入力し、事務局にメールまたは郵送にて送付ください。情報が得られない事項については空欄としてください。
*Wolfram症候群の可能性がある場合(視神経萎縮または尿崩症を伴う場合)は、Wolfram症候群に関連する情報を追加で提出いただくことにご協力ください。
Step2:
送付いただいた情報に基づき、委員会において、遺伝子解析が有用か否か検討します。検討の結果、本研究における遺伝子解析の対象とならない場合がありますのでご了承ください。
Step3:
遺伝子解析の対象となりましたら、事務局から担当医へお知らせし、遺伝子抽出のための血液の集荷方法をご案内します。血液は、施設内で作成した匿名化符号を記して発送をお願いします。匿名化符号と解析対象者名とは施設内のみで照合できるようにしてください。
*遺伝子解析に際して、対象者1名のみの解析では、同定した遺伝子変異が糖尿病の原因であるか否かの判断が難しい場合が存在します。他の血縁者(罹患者および非罹患者)の研究参加が有用である場合が多いため、事務局から担当医へ、血縁者の解析に関する提案をする場合があります。
Step4:
遺伝子解析結果を委員会で検討の後、事務局から担当医に報告します。
以下遺伝子の解析を行います。
(HNF4A, GCK, HNF1A, PDX1, HNF1B, NEUROD1, INS, ABCC8, KCNJ11, WFS1, INSR 遺伝子)
さらに、必要に応じエクソーム解析・全ゲノム解析を行う場合もあります。
なお、遺伝子解析結果はあくまで研究の結果であり、医療法に定めのある、検体検査の精度確保を制度的に行ったものではありません。従って、「これは研究の結果であり、診療の用に供する検査ではありません。このため、診療の用に供する場合に求められる精度管理が制度的に行われているものではないことに留意の上、適切にお使いください」との但し書きを添えて、担当医に結果を報告します。

3) 調査研究に関する覚書締結について

インフォームドコンセントの責任の所在や、研究で得られた成果の帰属を明確にするために、本研究に関する「覚書」(下記 調査研究事務局連絡先 にご請求ください)の締結をお願いします。
既報の原因遺伝子が糖尿病の原因であることが判明した場合において、症例報告を行う場合は、担当医が研究報告の主体となります。その際は、謝辞に糖尿病学会の支援を受けた旨の記載をお願いいたします。
複数症例の臨床像を分析・報告する場合や、未知の原因遺伝子解明に関する研究で得られた成果を報告する場合は、委員会が研究報告の主体となります。

調査研究事務局連絡先

〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学
単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会 事務局
monogenicdm@kuhp.kyoto-u.ac.jp

(単一遺伝子異常による糖尿病の成因、診断、治療に関する調査研究委員会)

稲垣 暢也
公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 理事長 (研究責任者)
岩﨑 直子
東京女子医科大学八千代医療センター 糖尿病・内分泌代謝内科 特任教授
田中 大祐
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 助教
谷澤 幸生
山口大学 学長
古田 浩人
和歌山県立医科大学 内科学第一講座 准教授
堀川 幸男
岐阜大学大学院医学系研究科 糖尿病・内分泌代謝内科学 臨床教授
森 潤
大阪市立総合医療センター 小児代謝・内分泌内科 部長
山内 敏正
東京大学大学院医学系研究科 内科学専攻 代謝・栄養病態学 / 医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 教授
依藤 亨
日本赤十字社 伊達赤十字病院 第二内科部長

更新:2023年4月6日