文字サイズの変更
  • 標準
  • 大

学会について

理事長挨拶

理事長 門脇 孝 一般社団法人 日本糖尿病学会
理事長 門脇 孝
(東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科 教授)

 日本糖尿病学会は、 1957 (昭和 32 )年 12 月 15 日、東京大学において設立発起人会が開催され、初代役員の選出が行われ、糖尿病学の進歩・発展を図り、国民の災害を防止することを目的として設立されました。日本糖尿病学会は、本年 2017 年 12 月 15 日に創立60周年を迎えることとなります。学会創立当時はまだ、戦後の復興期にあり、「糖尿病」という疾病自体があまり注目されていない時期でした。しかし、既に先人たちは来るべき経済の発展やそれに伴う生活習慣の変化から糖尿病が増加することを予見し、欧米の研究成果にも学びながら、我が国での糖尿病の成因やその治療法についての研究や臨床への還元を真摯に進めていました。学会設立を機に、学術集会の開催、会誌「糖尿病」や「糖尿病治療のための食品交換表」などの発行を通じ、糖尿病についての正しい知識の普及に努めてきました。その後、経済の高度成長や生活習慣の急速な欧米化により、糖尿病患者数は増え続け、次第に国民病と呼ばれるようになってきました。このような状況をふまえ、昭和 60 年、学術団体としての学会活動を更に強力に遂行し、且つ一層の社会的使命を果たすべく、社団法人 日本糖尿病学会として、また、平成 24 年には一般社団法人 日本糖尿病学会として現在に至り、およそ 18,000 名(平成 28 年末)の会員を擁する組織として発展してきました。

 日本糖尿病学会は、創立以来 60 年間、糖尿病の成因と治療に関する学術研究活動を継続し発展させてきたと同時に、その社会的使命を果たすべく、糖尿病の治療環境の向上を目ざした活動を行ってきました。平成元年には、糖尿病治療のための高度な知識と経験を持つ専門の医師の育成をめざし、「糖尿病専門医」認定事業を開始し、現在、日本全国に 5,500 名を超える糖尿病専門医が誕生しています。また、糖尿病の治療環境を向上させ、チーム医療を推進するために、糖尿病療養に関する知識と経験が豊富な看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士などの医療スタッフの育成をめざして、本学会、日本糖尿病教育・看護学会及び日本病態栄養学会の 3 団体が協力し、平成 12 年、「日本糖尿病療養指導士認定機構」を設立しました。現在では 19,000 名を超える日本糖尿病療養指導士が誕生し、活動をしています。

 この間、肥満の増加を背景に我が国の糖尿病患者数は更に大きく増加し、平成 28 ( 2016 )年の国民健康・栄養調査で 1,000 万人となり、予備群を合わせて 2,000 万人と推定されています。その合併症も細小血管症 (腎症、網膜症、神経障害)、大血管症(脳梗塞、心筋梗塞)をはじめとして重大な健康障害を引き起こしています。更に、糖尿病患者の超高齢化とも相まって、がん、認知症、フレイルなどの新たな合併症の増加も引き起こし、我が国で健康寿命を短縮させる最も重大な疾患の一つとなっています。このような状況をふまえ、日本糖尿病学会では平成 15 年に糖尿病総合対策事業を開始し、平成 16 年より第一次対糖尿病戦略 5 ヵ年計画のもと、平成 17 年 2 月に日本医師会、日本糖尿病協会と共に、糖尿病の発症予防並びにその合併症の予防を目的とした「日本糖尿病対策推進会議」を設立し、糖尿病対策推進事業を推進してきました。平成 21 年には第二次対糖尿病戦略 5 ヵ年計画を策定し、そのアクションプランとして DREAMS 1. 糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築 ( Diagnosis and Care ) 2. 研究の推進と人材の育成 ( Research to Cure ) 3. エビデンスの構築と普及 ( Evidence forOptimum Care ) 4. 国際連携 ( Alliance for Diabetes ) 5. 糖尿病予防 ( MentoringProgram for Prevention ) 6. 糖尿病の抑制 ( Stop the DM )の実現に向けて、社会と連携し、多角的・総合的な糖尿病対策を推進しています。日本糖尿病学会は糖尿病と合併症の克服を目指し、日本糖尿病協会、日本医師会、日本糖尿病合併症学会、日本腎臓学会、日本糖尿病眼学会、日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本癌学会、日本肝臓学会、日本老年医学会、日本医療情報学会などの他学会・団体と合同委員会設置や合同シンポジウム開催を通じた研究や提言を行うなどの連携を推進してまいりました。また、世界的にも糖尿病が増加し、 " unite for diabetes " の国連決議も成される中、国際的にも IDF 、 ADA や EASD と連携し、特に、糖尿病が急増しているアジアにおいて、 AASD と連携して糖尿病対策にリーダーシップを発揮しています。平成 27 年からは第三次対糖尿病戦略 5 ヵ年計画のもと、 DREAMS の更なる実現を目指しています。

 この度、創立60周年を迎えるにあたり、日本糖尿病学会の創立の原点をふまえ、改めて、我が国の糖尿病の学術研究活動の更なる発展、糖尿病の治療・予防の更なる向上、未来を担う人材養成の推進、をはじめとする「DREAMS」に体現される学会の使命達成に向け、誠実かつ最大限の努力をしたいと考えております。創立60周年にあたりましては、記念誌を刊行いたします。また、本年 12 月 15 日の創立60周年記念日にはシンポジウム・記念式典と祝賀会を行います。このシンポジウム・記念式典と祝賀会には、学会の関係者に加え日頃大変お世話になっております他学会や他団体の代表の先生方・皆様にもぜひご出席いただければ幸いです。

平成 29 年 3 月吉日
(一般社団法人 日本糖尿病学会 創立60周年記念事業 趣意書 より)

Back to Top

日本イーライリリー株式会社
ノボノルディスクファーマ株式会社
サノフィ株式会社
小野薬品工業株式会社
武田薬品工業株式会社