The Japan Diabetes Society

JapaneseEnglish
一般の方へ

糖尿病性腎症の寛解を目指したチーム医療による集約的治療【DNETT-Japan】

糖尿病性腎症の寛解を目指したチーム医療による集約的治療【DNETT-Japan】

DNETT-Japanへの参加のお願い

 わが国では、糖尿病患者の急激な増加に伴って、糖尿病性腎症の増加が続いており、2004年には新規透析導入患者約35,000人の原因疾患の約41%を占めました。透析導入後の糖尿病患者の予後は極めて不良であり、腎症は糖尿病患者の生命予後を左右する重大な合併症となっています。従って、糖尿病性腎症の進行を予防することは、国民衛生と医療経済の両面における危急の課題と考えられます。

 糖尿病治療を行うためには、医師だけでは不十分であり、医師とコメディカルスタッフによるチーム医療を行うことが重要です。米国では以前よりCertified diabetes educator(CDE)制度が確立され、糖尿病専門のコメディカルスタッフが糖尿病治療の現場で重要な役割を果たしていますが、我が国でも、糖尿病療養指導士認定機構による糖尿病療養指導士の認定が始まって5年が経過し、現在10,000人以上のコメディカルスタッフが認定を受けています。医師と糖尿病療養指導士が協力して糖尿病患者の療養を支援することによって、従来よりもさらに高い治療目標を達成できることが期待されます。

 そこで、このたび厚生労働省科学研究費補助金による研究事業として「糖尿病性腎症の寛解を目指したチーム医療による集約的治療に関する大規模臨床研究(DNETT-Japan)」を開始しました。本研究は、糖尿病性腎症患者に対して医師と糖尿病療養指導士を中心としたコメディカルスタッフが共同して強力な治療介入を行う(集約的治療)ことにより、腎症の進行を阻止できるか否かを明らかにすることを目的とした大規模臨床試験です。具体的には糖尿病性腎症患者600名を対象に、医師とコメディカルスタッフによる強力な治療介入を行うグループと、従来通りの治療を続けるグループに分けて、強力な治療介入によって末期腎不全への進行を阻止できるか否かを検討します。

 平成17年7月15日に、国際研究交流会館(東京都中央区築地)でDNETT-Japanの発足説明会(キックオフミーティング)を開催いたしました。当日は、全国120の医療機関から196人の医師とコメディカルスタッフの方々にご参加いただきました。

 DNETT-Japanはまだスタートしたばかりですが、本研究の成果をもとに、糖尿病性腎症の進展を防止し、さらに寛解させるための治療法を確立したいと考えております。現在全国の125施設からご登録をいただいておりますが、本研究の目的達成のためには、まだまだ多くの先生方のご協力を必要としております。

 登録は随時受け付けておりますので、是非ご参加いただきますようにお願いいたします。

更新:2006年2月23日

SUB MENU