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それぞれのストーリー

吉田 麻美(Mami Yoshida)

吉田 麻美(Yoshida Mami)

―あふれる愛につつまれて―

所属

藍野病院 内科副部長 栄養管理部長

資格

医学博士
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本糖尿病学会 専門医・指導医
日本東洋医学会 専門医・指導医、代議員

自己紹介、これまでの道のり:

兵庫県 西宮市に生まれ、病弱な幼少期を経て、「愛神愛隣」がモットーの毎朝礼拝ではじまったプロテスタント系の中学、高等学部時代、生かされていることの意味を考える多くの機会をいただき、ある年の宗教強調週間で医師であり牧師でもあられた先生のお話しをきっかけに医師を目指すようになりました。

もともと虚弱な自分を救ってくれた漢方に興味をもっておりましたが医学部で公に学ぶ機会はほとんどなく、 茂在 敏司 教授にあこがれて母校の第一内科に入局。東京大学で漢方外来をはじめられた 大澤 仲昭 教授が着任され、漢方医学を勉強するのであれば、それ以上に何か西洋医学の専門家でなくてはならないといわれ、“養生”が根本となる糖尿病を専攻することにいたしました。

当時はメジャー科である内科の女性医師は少なく、子育て中の先輩医師もなく、大学で研究、教育、若い先生方の育成ということはとても困難と考え、臨床をしっかり行えばよい関連病院にはやくから出向し、糖尿病学会で臨床経験の発表をひとつの目標といたしました。

2016年11月 世界糖尿病デーにチームでオープン糖尿病教室

その頃の藍野病院は精神神経科主体の病院で、糖尿病外来開設といっても一般の糖尿病患者さんはほとんどおられず、大学では当たり前であったペン型インスリンも血糖自己測定器もなく、糖尿病診療についてはまさに黎明期でした。看護部、薬剤部、リハビリ、臨床検査技師、臨床心理、事務方・・・みんなが熱心にかかわってくれたおかげで藍野の特性を生かした心理的アプローチを取り入れた患者さん中心のチーム医療が可能になりました。特に 大澤 仲昭 先生が大学を退官され藍野加齢医学研究所にこられ、東大の同期でいらした 葛谷 健 先生が直々にご指導くださったことは、ほんとにありがたいことでした。その結実が “糖尿病のチーム医療を考える” をメインテーマとする『シンメデイカル糖尿病セミナー』で、 花房 俊昭 先生、 今川 彰久 先生のご指導もいただき、大阪医科大学内科学Ⅰ教室と関連施設とともに2004年から毎年開催し、今年で第14回となりました。

葛谷 健 先生のご指導をいただいて

スケジュール:

糖尿病外来を4コマ(月・火・木曜日:午前、火曜日:午後)、大阪医科大学 糖尿病代謝内分泌内科外来漢方外来を1コマ(第2・4水曜日:午後、第1・3土曜日:午前)行いつつ、毎月糖尿病教室、糖尿病勉強会を行い、研究会や講演も多く、何より30名前後の入院患者さんの主治医をしており、タイトな日々を送っております。

家族:

甲状腺の専門家である夫と、2人の娘たち。長女は今年度から糖尿病医として歩みだし、また次女も同じ道を選ぼうとしております。

趣味:

趣味はピアノ、茶道です。結婚式でショパンのバラードを演奏させていただいたのは大切な思い出です。今はなかなか練習する時間をつくれませんが、大好きなショパンをその歳なりに奏でていきたいと思います。茶道もお稽古半ばですが、お茶を立てていただくことが日々の楽しみです。

現在感じていること:

糖尿病の治療は生活習慣の改善とその継続が基本ですので、個々の患者さんに寄り添ってその方々のお考えや思いを知って、実践可能な治療を行うことが必要です。

このためには私ども自身の人間力を高めることが大事だと思います。特に超高齢社会で認知症の増加が社会的問題ですが、深くかかわる糖尿病に、糖尿病医は使命感をもって携わらなくてはならないと思います。

メッセージ:

「上善は水の如し」。思いがあっても出産や子育て、女性特有の体調、そして男性中心の社会通念の中ゆえの女性の役割などのため、思いどおりにはすすめない女性医師には、水の流れのようにしなやかに生きることが望ましいのではないでしょうか。「糖尿病を診るということはその方とともに生きるということ」、花房先生のお言葉です。抱擁し育む母性を持ち、しなやかに生きる女性にとって、糖尿病医はとても良い選択だと思います。

これまでの私の糖尿病医としての歩みは、まわりのひとたちのあふれる愛につつまれて、ただただ感謝の日々です。なにより理解して支えてくれた夫、両親、家族に感謝。愛すべき後輩たちにもめぐまれ、大切なひとたちとともに、ますます最良の糖尿病治療をめざして、ひとの和を大事に歩んでいきたいと努めております。

更新:2017年11月14日

※所属は掲載当時のものです

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