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それぞれのストーリー

楠美 尚子(Naoko Kusumi)

楠美 尚子(Naoko Kusumi)

―糖尿病診療は女性医師に向いていると思います―

所属

医療法人 ときわ会病院

キャリア、糖尿病を専攻した理由:

大学卒業後、出身校の内分泌代謝内科(当時は第三内科)へ入局し、主に膵疾患、糖尿病の診療・研究を行っていました。大学病院と関連病院の勤務を経て、10年目に現在の病院へ勤務しました。内科専門医は大学在籍中に取得しましたが、市中の病院では糖尿病患者が大変多く、より深く勉強する必要性を感じたため、現病院へ勤務してから糖尿病専門医を取得しました。

1日のスケジュール:

朝はお弁当作りなどの子どもの登校準備に始まり、日中は糖尿病外来・病棟での仕事があり、子どもたちの下校後は、部活動や習い事の送迎に明け暮れています。

趣味:

ピアノや旅行です。子どもたちに頼まれて伴奏を弾くと、一生懸命歌ってくれるのがうれしく、疲れがとれます。

私の住む青森県弘前市は城の桜が有名ですが、石垣修復のため天守閣が移動されます。写真はゴールデンウィーク明けの、桜が散った後に撮影した天守閣で、右下には工事のために埋め立てられた内濠が写っています。天守閣が石垣の上に見えるのは今年限りで、再び同位置に天守閣が戻るのは10年以上たってからとのことです。

現在感じていること:

最近は女性医師支援のシステムが整えられており、入局時に比べると隔世の感です。特に子どもは急な発熱も多く、市内に病児保育施設があることで大変助かっております。当市の病児保育施設は小児科併設でもあり、安心感もあります。また、三男が生まれたときは、大学に24時間体制の保育園が併設され、大いに助かりました。
現在の病院は、前理事長夫妻がともに医師でもあり、子どものトラブルや学校行事のときなどに配慮していただいています。
糖尿病専門医は次男が2歳の時に取得しましたが、忙しい中、いかにして勉強時間をつくるかが大変でした。長男の幼稚園の運動会では、競技の合間に次男を連れて授乳室へ行き、世話をしながら勉強もしました。夫に子どもを外へ連れて行って遊んでもらい、勉強時間を確保したこともあります。育児と試験の両立は難しいですが、不可能ではないということを、これから受験を考えている先生方にも伝えたいと思います。

メッセージ:

糖尿病診療は外来診療のみも可能ですし、力が必要な訳でもありません。地道に取り組む女性医師に比較的向いている仕事ではないかと思います。糖尿病診療の場で、多くの女性医師が活躍していくことを望みます。
ただし、糖尿病診療は患者数の多さだけでなく、合併症などで病態は複雑です。それに対応する医師、スタッフも不足しておりますが、糖尿病療養指導士の育成や、地域連携のための体制作りも大切であり、診療だけではなく教育や社会活動にも取り組む必要があります。
私自身の職場や地域の環境は恵まれている方だと思います。読者の先生方は、必ずしもそのような環境ではない方もおられるでしょうが、くじけないでいただきたいと願います。

更新:2015年5月20日

※所属は掲載当時のものです

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