The Japan Diabetes Society

JapaneseEnglish
一般の方へ

福井 道明 先生

福井 道明 先生

(ふくい みちあき)
キラリ☆女性医師!特別版―イクボス・イクメンからのひとこと
2018年12月 掲載
福井 道明 先生
所属:
京都府立医科大学大学院医学研究科
 内分泌・代謝内科学 教授
(京都府立医科大学医学部 平成2年卒業)
自己紹介:

現在京都府立医科大学医学部附属病院に勤務しており、日本糖尿病学会・日本内分泌学会の専門医、指導医、(学術)評議員を務めております。また日本病態栄養学会・日本抗加齢医学会の(学術)評議員も務めております。妻一人、子二人、数年前までは愛犬も一匹いました。私の家系に医師はおりませんが、大好きだった祖父が膵臓癌で亡くなり、その後医師を目指しました。大学を卒業しまず内科に入局し、内科全般の研修を受けました。研修医の頃は採血や点滴など手技が得意でどちらかというと消化器内科を専攻する予定でしたが、5年目で大学院に入学する際、大変雰囲気の良かった糖尿病内科を専攻することになりました。大学院卒業後は関連病院で修練を積み平成16年に助教として大学に戻りました(もう少し臨床に没頭したかったというのが本音です(笑))。大学院卒業後も関連病院で論文を書き続けていたことを評価していただいたようです(ほとんど趣味で書いていただけでしたが(笑))。講師、准教授を経て、平成27年より内分泌・代謝内科学の教授に就任しております。数年間医局長も務めており、人事にも携わり女性にとっても、男性にとっても働きやすい環境を作ることの重要性を強く感じました。

趣味はゴルフ(スコアは90台で停滞しています)、城巡り、お寺巡りなどいろいろあります。出張先に城があればほぼほぼ行っていますし、高野山、永平寺などは毎年行っています(一度修行をしてみたいと思っています)。お酒が好きでしばしば部下と飲みに行っています(喜んでついてきてくれていると信じています(笑))。

ワークライフバランスについて:

厚生労働省の調査結果において、常勤女性医師は育児中の働き方として「時間短縮勤務」、「勤務日数減少」、「業務内容軽減」を希望する割合が多いようです。また、常勤女性医師の10%、非常勤医師の25%が休職や離職を経験していると報告されていますが、不規則な勤務時間など厳しい就労環境が原因と思われます。さらに、育児中に休職や離職を経験した女性医師は常勤を継続した女性医師と比較して専門医資格の取得率が有意に低いという報告もあります。また、大学や病院において、教授や院長・副院長などの管理職に就いている女性糖尿病医が極めて少ないという現状があります。つまり、女性特有のライフステージにおける様々なイベントにより、医師としての研鑽を積むべき時期に就業率が低下しキャリア形成に支障をきたしている実態があります。学会、病院、国をあげての制度等の調整が重要課題と考えています。

京都府立医科大学において入局者の半数近くが女性医師ですが、出産や育児でキャリアが中断しないよう、また中断したとしても可能な範囲で早期復帰出来るようさまざまな支援をしています。産休中の代理として大学から非常勤医師を派遣したり、幼い子供がいる女性医師に対しては、勤務先に当直免除の配慮を打診したり、保育園の送り迎えの時刻を考慮した勤務地を提案する等、子育てをしながらも常勤として働き続けられるよう配慮をしています。通常の常勤が困難な時期は時間短縮、また非常勤医師として働いてもらっています。

京都府立医科大学男女共同参画推進センターでは病児保育園、院内保育園、時短勤務であるフューチャーステップ研究員制度、育児中の女性医師の研究をサポートする研究補助員制度、テレビ会議システム、文献オンラインシステムなど、多くの支援制度を導入しています。最前線で活躍できる人生の最も輝く時期を一個人として自らの能力を最大限に発揮し、全うできるよう、若い世代の希望と夢の実現を目指しています。

教室運営について:
 
福井 道明 先生

我々の大学では医大生、研修医、専攻医、大学院生など若手の教育に力を入れています。糖尿病診療においては、最新の情報をもとに最先端の医療を行い、多職種によるチーム医療を実践しています。病気だけではなく人を診れるような全人的な医療を心がけています。また糖尿病の発症・病態、糖尿病合併症に関わる基礎研究・疫学研究・臨床研究を幅広く行っています。世界一流のジャーナルに掲載されるような研究、臨床に活かされる研究、社会に必要とされる研究、京都府立医科大学の特徴を出せるような研究を成し遂げるべく日々努力しています。研究マインドを大学に在籍している時のみならず大学外でも持ち続けてもらうことも重要と考えています。臨床をしていて疑問に思うことに対し自ら解明し、学会発表・論文化し、ガイドラインやテキストに引用されるようなデータの構築を共同で行っていくことも大切と考えています。

近年多くの入局者があり、若者が増え教室は活気づいています。「一人の力は偉大である 連帯の力は無限である」:教授になって仲間の一人一人が大切なことを痛感していますが、個々の力を最大限に引き出し、連帯として強大な力にしたいと思っています。関連病院の拡大、研究の活性化のために今後も多くの優秀な人材が望まれます。日本有数の内分泌・糖尿病・代謝内科学教室に発展、進化させ京都から世界へ医学、医療を発信したいと考えております。

リチャードカールソン著・小沢瑞穂訳の「小さいことにくよくよするな!」という本は素晴らしいと思います。その中でも「人のためになにかをする」「ありがとうを言う」「謙虚になる」「人の幸せを願う」という節は共感できるし、皆がそんな気持ちになれば本当に幸せな教室になると思います。特に最後の「今日が人生最後の日だと思って暮らそう」という節はすばらしい。一日一日を大切に生きること、そうすれば充実した日々をおくれるのではないでしょうか。

最後になりましたが、我々の教室のモットーは PETCT-T です。
P: positive
何事も前向きに考える
E: enjoyable
楽しんで仕事をする
T: thankful
何事にも感謝
C: confident
自分の行っていることに自信を持って行う
T: tolerant
何事にも寛容の心をもって対応する
T: thoughtful
おもいやりの心を持つ

更新:2018年12月3日