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糖尿病教育関連・各種活動

[第1回] 京都大学医学部附属病院における取組

稲垣 暢也 先生
2018年6月 掲載
稲垣 暢也 先生
京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授
京都大学医学部附属病院 病院長
院内保育所「きらら」 :京都大学医学部附属病院
院内保育所「きらら」 :京都大学医学部附属病院

私は、平成27年(2015年)4月に京都大学医学部附属病院の病院長に着任して以来、子育てトータルサポートとして3本の柱をうち出しました。仕事と家庭を両立しやすい環境を整え、職員全体の負担軽減を図ることで、就労環境の改善を目指しています。

1つめの柱は、託児サービスの充実です。院内保育所「きらら」は平成20年(2008年)4月に開所しましたが、職員にとって必ずしも利用しやすいものではなかったため、職員の要望を調査し、平成28年(2016年)4月から平日は毎日「お迎え&託児」サービスを提供できるようにしました。夜間保育も毎日ではありませんが実施するようにしました。「お迎え&託児」は、事前の申し込みに応じて、子供を保育園などに迎えに行き、病院敷地内の保育所「きらら」にて託児するサービスです(17時30分~21時30分)。会議や講習会を夕方に開催せざるを得ない場合にも、このサービスを利用すると参加が可能となるため、キャリア支援の意義が大きいと考えています。また、「きらら」では、台風接近等による暴風警報発令のために学校等が休校になる際の臨時託児や、お盆・年度末などの臨時託児にも対応しています。

2つめの柱は、利用しやすい病児保育です。京大病院建物内に設置された病児保育室「こもも」は、京都大学男女共同参画センターによって運営されています。平成28年度(2016年度)はのべ600名以上の病児を保育しました。男女共同参画センターは平成19年(2007年)から病児保育に取り組んでいますが、利用者に対するアンケートを通して、より利用しやすい病児保育に向けて努力を続けています。直近では、保護者の勤務シフトにあわせて朝7時半から保育可能となるように、開室時刻を前倒ししました。

3つめの柱が、短時間勤務支援です。従来の医員の雇用形態はフルタイムが基本でしたが、平成27年(2015年)10月から週30時間以内の勤務時間でも「キャリア支援診療医」の称号で時間雇用教職員として採用することを可能にしました。勤務形態は個別に設定することができます。短時間の勤務であっても、身分が保証されるとともに、診療を担ってもらうことで、他の医師の負担を軽減することができると考えています。この制度の利用者はその後年々増加し、平成30年度(2018年度)はすでに15名に達しています。

女性研究者のサポートについても、いくつかの取り組みをご紹介します。

まず、京都大学男女共同参画センターが平成18年(2006年)から行っている「研究・実験補助者雇用制度」を利用することが可能です。育児や介護中の研究者にとって、毎日あと数時間でも研究に時間が使えたら、あるいは少しでも研究・実験補助をしてくれる人がいれば、研究者としてのキャリア形成を維持できるのに、というケースも多いと思います。この制度は、研究や実験を補助する者の雇用経費を負担することにより研究者を支援するもので、年2回の募集・選考を経て、毎回20名前後の研究者が支援対象に採択されています。京大病院の医員も申請できますし、男性も申請でき、実際に支援対象にも選ばれています。
平成20年度(2008年度)からは「京都大学たちばな賞(優秀女性研究者賞)」が設置され、人文・社会科学や自然科学の分野において優れた研究成果を挙げた女性研究者が毎年数名ずつ受賞しています。平成28年度(2016年度)と29年度(2017年度)は京大病院の女性医師が受賞しました。

「在宅オンラインジャーナル閲覧制度」は、産休・育休や介護休業中の研究者が附属図書館のサービスを利用して自宅からオンラインジャーナルの閲覧ができるものです。

「保育園入園待機乳児保育室」は、自治体に保育園入園申請を行ったが入園待ちを余儀なくされている研究者等を対象としているもので、運営を民間企業に委託し、大学が一部費用を負担して実施しています。

このように、病院での取り組みに加え、京都大学男女共同参画センターの継続的な活動により、女性医師・研究者へのサポートは着実に進んでいます。女性医師・研究者がますます活躍できるよう、引き続き、環境を整えていきたいと思います。あわせて、病院では、女性医師のみならず医師全体の働き方改革に向けての検討も開始しているところです。

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