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糖尿病教育関連・各種活動

恩田 美湖 先生

(おんだ よしこ)
― 卒後10年目の生活 ―
恩田 美湖 先生
2016年10月 掲載
所属:
東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
(現在の勤務先: 日本航空健康管理部)
自己紹介:
卒後 10 年目になります。昨年出産し、夫と 7 月で 1 歳を迎えた息子の 3 人暮らしです。実家の両親と妹家族が近くに住んでいます。
1日のスケジュール:

朝 5 時過ぎに起床し、自分と息子の準備の他、簡単に家事、息子の夕飯の用意をします。夫も同時かそれ以前に起きて家事をしてくれます。夫は 6 時台に出勤、私と息子は 7 時過ぎに家を出て保育園に送りながら通勤します。 8 時 45 分から 17 時 45 分が仕事の定時時間ですが、自宅が遠く、保育園の開園時間に送っても始業時間に間に合わないためにフレキシブル勤務にさせていただいています。産業医業務が主な仕事です。帰りは保育園の閉園時間に間に合わないため、お迎えはシッターさんにお願いし、私の帰宅まで自宅でシッティングして頂きます。この間に朝用意した息子の夕食も食べさせてもらいます。帰宅後にお風呂に入れて寝かしつけます。寝かしつけの後、夫が帰宅し、一緒に食事を摂りますが、正直自炊とは程遠い内容の日も多いです。お掃除はなかなか行き届かないので、週 1 回水回りのお掃除を外部委託しています。また、実家の両親には朝の保育園の送りなど定期的に助けてもらっている他、妹家族も同業で同じような生活をしているため、時に助け合っています。

糖尿病を専攻した理由:

公衆衛生や予防医学に興味があったこと、手技がない科の方が女性特有のイベントがあっても遅れを取り戻しやすいと考えたこと、日々の生活と密に関連のある糖尿病に携わるならば、自分の私生活上の経験も診療の糧になるのではないかと考え、専攻しました。

キャリア:

東京慈恵会医科大学を卒業後、 2 年間附属病院で研修し、糖尿病・代謝・内分泌内科に入局、大学や関連病院で 3 年間の後期研修を行いました。卒後 6 年目から大学院に進学し、主に小児期発症 1 型糖尿病に関する疫学研究を行いました。資格は、大学院在学中に糖尿病専門医、甲状腺専門医、産業医を取得しました。論文の目処が立った大学院 4 年目で出産し、この 4 月からは日本航空健康管理部に出向しており、週に 1 度大学で 1 型糖尿病インスリンポンプ外来をさせていただいています。産業医として出向することが決まった当初は、大学院卒業直後の臨床復帰への気合い充分のタイミングでしたので、少々戸惑いました。しかし、今となっては大きな会社の仕組み、世の中の常識、違う業界を肌で感じることができ、自分の今までの世界の狭さを認識するとともに今後患者さんの背景を理解することにも大きく役立つ貴重な経験をさせていただいていると感謝しています。

現在感じていること:

子育ては想像以上に思い通りにならないことの連続で、今までと同じペースで仕事をすることは難しいと感じるようになりました。自分の頑張りではどうにもならないこともあるのだと身をもって実感する日々です。現在は、理解のある職場に恵まれ、臨床から離れていることもあり、やりくりできていますが、今後臨床に戻った際に、働き方は大きな課題になると思っています。

私の現在の日々の生活は周囲の方に助けられて成立しています。家族はもちろんですが、同僚の支えがあってこそ、育児をしながら仕事ができるのだと思います。同じ職場で同じように子育て中でも、家族の協力や子供を預ける環境、また個人の考え方によって、仕事に割ける時間や仕事へのスタンスは人それぞれ違うため、自ら発信しなければ周囲には伝わらないと実感しています。子育て中の女性医師の扱いが難しいのは、自分達の振る舞いによるところも大きいということを肝に銘じ、子育てと仕事の両立の大変さを主張するのではなく、自分にできること・やりたいことを、一医局員としての職責と自分のキャリアの両面から考えて、積極的に周りに伝えていくことが大切なのだと思いました。

メッセージ:

入局後、性別を問わずよい指導者に恵まれ、この先生のこういう部分に憧れるという具体的な理想像に多く巡り合えました。また、毎年海外の学会で発表する機会や、研究をきっかけにサマーキャンプへの参加や他大学の小児科での 1 型糖尿病治療の見学、インスリンポンプ外来など、自ら行動すれば、それを快く受け入れて応援していただける医局の環境にも恵まれました。卒後 10 年、自分の無力さを痛感しながらも、まだまだ自分の将来に夢を持つことができるのはとても幸せだと思います。そして、科の選択は間違っていなかったなと実感しています。

今は、女性の先輩方の 『お金で解決できることはお金で解決する』 という言葉に深く同調し、時は金なりと割り切って他の人の手を借りながら、仕事と子育てと両立させられるように邁進していきたいと思います。そして、これも先輩の言葉ですが、『数十年後に振り返った時に自分はこれをやってきたと言える自分の専門性を極める』という大きな軸は自分の中にしっかりと持ち、今後仕事よりもプライベートの比重の方が大きくなる時期があったとしても、長期的なスパンでは自分のキャリアを見失わないように歩んでいきたいと思っています。

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